お子さんの病気や障害が分かったばかりのころは、治療やケアのことで頭がいっぱいですよね。その中で「これからのお金はどうなるんだろう?」と、不安になることはありませんか。
障害のある子どもを育てる家庭で、家計の支えになるのが、特別児童扶養手当と障害児福祉手当の2つです。私たちの家庭も、この2つの手当に助けられてきました。
この記事では、2つの手当の金額や申請の流れを解説し、最後に私たちが申請したときのことを紹介します。制度を調べ始めたご家族に、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
特別児童扶養手当と障害児福祉手当の月額

障害のあるお子さんを育てる家庭が受け取れる国の手当は、主にこの2つです。受け取る人も金額も違うので、まずは違いを整理します。
| 特別児童扶養手当 | 障害児福祉手当 | |
|---|---|---|
| 受け取る人 | 障害のある20歳未満の子どもを育てている父母など | 重度の障害があり、日常生活で常に介護が必要な20歳未満の本人(在宅) |
| 月額(令和8年度) | 1級 58,450円 2級 38,930円 | 16,560円 |
| 支給月 | 4月・8月・11月 | 2月・5月・8月・11月 |
| 1回の入金 | 4ヶ月分 | 3ヶ月分 |
2つの手当は、条件を満たせば両方受け取れます。児童手当とも別の制度なので、あわせて受け取れます。障害児福祉手当は子ども本人に支給されるため、自治体によっては本人名義の口座が必要です。
どちらの手当も毎月ではなく、数ヶ月分がまとめて振り込まれます。特別児童扶養手当の1級なら1回の入金は233,800円(4ヶ月分)ですが、次の入金までは4ヶ月空きます。毎月の生活費として考えるときは、入金のない月がある前提で家計を組んでみてください。
どちらの手当にも所得制限があり、親などの所得が一定の額を超えると支給されません。上限の額は扶養している家族の人数によって変わるので、市区町村の窓口で確認してみてください。
支給は申請した月の翌月分から
2つの手当は、申請した月の翌月分から支給されます。病名が分かった月や、申請する前の月にさかのぼって受け取ることはできません。
対象になりそうだと思ったら、早めに窓口へ相談してみてください。申請が1ヶ月遅れれば、その分の手当は受け取れなくなります。
障害者手帳がなくても申請できます。認定は手当用の診断書をもとに行われ、手帳の等級とは別の基準で判断されます。手帳の交付を待たずに、手帳の申請と並行して進めて大丈夫です。
なお、特別児童扶養手当は都道府県などが審査して認定するため、申請から初回の入金まで数ヶ月かかることがあります。
申請には医師の診断書が必要

申請の準備でいちばん時間がかかるのが、診断書です。どちらの手当も市区町村の窓口で申請し、自治体が用意している所定の様式の診断書が必要になります。
診断書の様式を窓口でもらい、主治医に作成をお願いします。病院によっては作成に数週間かかることもあるので、早めに頼んでおくと安心です。作成料は自己負担で、病院によって違いますが、数千円程度かかります。
特別児童扶養手当は、身体障害者手帳や療育手帳を持っていると、診断書を省略できる場合があります。
また、2つの手当は担当の課が分かれていることがあります。私たちの住む市では、特別児童扶養手当はこども政策課、障害児福祉手当は障がい福祉課が窓口でした。課名は自治体によって違うので、役所で確認してみてください。
- 所定の様式の診断書
- 振込先の口座が分かるもの
- マイナンバーが分かるものと本人確認書類
- 戸籍謄本(特別児童扶養手当)見出し
毎年8月の所得状況届と再認定

手当は一度認定されたら終わりではなく、毎年の手続きが必要です。忘れると支給が止まるので、時期を覚えておくと安心です。
特別児童扶養手当は、毎年8月12日から9月11日までに『所得状況届』を提出します。受給している人は全員が対象で、提出しないと8月分以降の手当が支給されません。2年続けて出さないと、受給する資格がなくなります。障害児福祉手当にも、毎年の所得状況の届出があります。
時期が近づくと、自治体から案内が届きます。提出の方法(窓口・郵送・オンライン)は自治体や手当によって違うので、届いた案内を確認してみてください。
また、障害の状態によっては、認定に1〜2年程度の期限(有期認定)がつきます。期限が来る前に、あらためて診断書を出して再認定を受ける必要があり、そのたびに診断書の作成料がかかります。
私たちが申請したときのこと
ここからは、私たちが2つの手当を申請したときのことを紹介します。1つの例として参考にしてください。
さくらは2022年2月15日に確定診断を受けました。病名はSMARD1(呼吸窮迫を伴う脊髄性筋萎縮症Ⅰ型)という希少難病です。人工呼吸器を使っていて、首から下は動かせません。身体障害者手帳は両上肢機能全廃・両下肢機能全廃の1級で、特別児童扶養手当は1級で認定されています。
診断から10日ほどたった2月下旬、ママが市役所で診断書の様式をもらい、入院先の主治医に作成をお願いしました。3月15日に別の病院で遺伝カウンセリングを受ける予定があったので、その日までに仕上げてもらい、帰りに市役所で2つの手当をまとめて申請しました。
| 時期(2022年) | 出来事 |
|---|---|
| 2月15日 | 確定診断 |
| 2月下旬 | 診断書の様式をもらい、主治医に作成を依頼 |
| 3月15日 | 2つの手当をまとめて申請 |
| 4月上旬 | 障害児福祉手当の認定書が届く |
| 4月15日 | 身体障害者手帳の交付 |
| 5月10日 | 障害児福祉手当の初回入金 14,850円(4月分) |
| 8月9日 | 特別児童扶養手当の初回入金 209,600円(4〜7月分) |
| 8月10日 | 障害児福祉手当の入金 44,550円(5〜7月分) |
特別児童扶養手当は、申請から初回の入金まで約5ヶ月かかりました。当時の1級の月額は52,400円で、4月分から7月分までの4ヶ月分がまとめて振り込まれました。障害児福祉手当は当時の月額が14,850円で、初回の5月は4月分の1ヶ月分だけでした。
診断から1ヶ月ほどで申請したので、どちらの手当も4月分から受け取れました。もし4月末の退院を待って5月に申請していたら、支給は6月分からになり、2ヶ月分を受け取れなかった計算です。
手当が入るようになって、生活は大きく助けられました。児童手当と合わせると、月に約8万円になります。
さくらは体温調整が苦手なため、エアコンをつけている時間が長く、毎日の入浴介助でもたくさんのお湯を使います。在宅生活が始まってから水道光熱費はかなり上がりましたが、手当のおかげで、増えた負担をまかなうことができました。
まとめ

特別児童扶養手当と障害児福祉手当は、申請した月の翌月分から支給されます。診断書の準備に時間がかかるので、お子さんの病気や障害が分かったら、早めに市区町村の窓口に相談してみてください。
入金は数ヶ月分まとめてで、毎年の所得状況届も必要です。入金のない月も考えて家計を組み、届出の時期を忘れないようにしておくと安心です。
手当の金額や条件は変わることがあるので、最新の情報は窓口や自治体のホームページで確認してみてください。この記事が、お金のことで不安を抱えているご家族のお役に立てれば幸いです。



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