小児慢性特定疾病で、医療費はいくらになる?

小児慢性特定疾病で、医療費はいくらになる? 制度・お金

お子さんの病気が分かったとき、治療と同じくらい気になるのが、これからの医療費ではないでしょうか。入院や通院が続くと毎月いくらかかるのか見当がつかず、不安になりますよね。

私たちも、娘のさくらの病気が分かった直後は、同じ不安を抱えていました。

この記事では、前半で小児慢性特定疾病(以下、小慢)の医療費助成と子ども医療証のしくみを、後半で私たちが実際に払っている医療費を紹介します。医療費の不安を少しでも軽くするお手伝いができれば嬉しいです。

小慢の医療費助成のしくみ

小児慢性特定疾病の医療受給者証_イメージ

小慢の医療費助成は、国が定めた病気で、病気ごとの状態の程度を満たしているお子さんの医療費を助成する制度です。認定されると医療受給者証が交付され、医療費の自己負担が軽くなります。

助成を受けると、窓口で払う医療費は保険診療分の2割になります。さらに、次の章で紹介する月の上限額を超えた分は払う必要がありません。

受給者証が使えるのは、都道府県などが指定した『指定小児慢性特定疾病医療機関』です。認定された病気の治療であれば、入院だけでなく、通院や訪問看護、薬局での支払いも助成の対象になります。

申請してから受給者証が届くまでには、数ヶ月かかることがあります。助成の開始日は、状態を満たしていると医師が診断した日までさかのぼれる場合があり(原則1ヶ月、最長3ヶ月)、届く前に払った医療費のうち対象になる分は、あとから払い戻しを受けられます。

自己負担には月の上限がある

小慢の医療費助成では、1ヶ月に払う医療費に上限額が決まっています。上限額は、世帯の所得に応じた6つの区分と、お子さんの状態によって変わります。

階層区分一般重症人工呼吸器等装着者
Ⅰ 生活保護等0円0円0円
Ⅱ 低所得Ⅰ(市町村民税非課税)1,250円1,250円500円
Ⅲ 低所得Ⅱ(市町村民税非課税)2,500円2,500円500円
Ⅳ 一般所得Ⅰ5,000円2,500円500円
Ⅴ 一般所得Ⅱ10,000円5,000円500円
Ⅵ 上位所得15,000円10,000円500円

『重症』は、医療費の総額が月5万円を超える月が1年に6回以上ある場合などに認定されます。『人工呼吸器等装着者』は、人工呼吸器などが24時間必要で外せる見込みがなく、日常生活の動作が大きく制限されている場合に認定されます。

一般の区分でも、たとえば一般所得Ⅰなら月5,000円、一般所得Ⅱなら月1万円で、その月の支払いは止まります。ただし、入院したときの食事代は、上限とは別に半額が自己負担です。保険が効かない費用も助成の対象外です。

自分たちがどの区分に当てはまるかは、申請先の窓口で確認してみてください。

上限は管理票で合算する

自己負担上限額管理票への記入_イラスト

上限額は、病院ごとではなく、同じ月に受診したすべての医療機関の支払いを合わせて数えます。

そのために使うのが『自己負担上限額管理票』です。受診のたびに窓口で管理票を見せると、支払った金額を記入してもらえます。合計が上限額に届けば、その月はそれ以上払う必要がありません。

複数の病院や訪問看護を利用していても、月の負担は上限額までです。受給者証と管理票は、いつもセットで持ち歩くのがポイントです。

子ども医療証との関係

小慢とは別に、多くの自治体には子どもの医療費を助成する制度があり、医療証が交付されます。自治体によって『乳幼児医療証』などと呼び方が違いますが、この記事では『子ども医療証』と呼びます。

子ども医療証は自治体ごとの制度なので、対象年齢や自己負担額は住んでいる地域によって違います。私たちの住む市の案内では、小慢のような国の制度が、子ども医療証より優先されると書かれています。

私たちの住む市の子ども医療証は、次のような内容です。

  • 対象は18歳になった年度の3月末まで
  • 自己負担は1医療機関1日500円まで、月2日まで(最高1,000円)
  • 1ヶ月の負担が2,500円を超えた分は、申請すると払い戻し
  • 入院時の食事代は助成の対象外

受給者証は毎年更新が必要

小児慢性特定疾病の更新申請_イラスト

小慢の受給者証の有効期間は、原則1年以内です。引き続き助成を受けるには、毎年、更新(継続申請)の手続きが必要です。

私たちの住む地域では、有効期間が終わる月の4ヶ月前に更新の案内が届き、終わる日の2〜3ヶ月前から申請できます。申請には主治医の医療意見書などが必要で、新しい受給者証が届くまで2〜3ヶ月かかります。

有効期間が過ぎてから手続きすると、更新ではなく新規申請の扱いになります。

案内の時期や必要書類は自治体によって違うので、届いた案内を確認してみてください。

さくらは月500円だった

ここからは、私たちが実際に払っている医療費を紹介します。1つの例として参考にしてください。

さくらは2022年2月に希少難病と診断され、人工呼吸器を使い、気管切開をしています。

2022年3月、入院中に小慢を申請し、受給者証は退院後の6月頃に届きました。受給者証には『人工呼吸器等装着:該当』『重症患者認定:該当』と記載されています。

人工呼吸器が手放せないさくらは、医療費もとても高くなるのではと身構えていました。ところが実際は、人工呼吸器等装着者として、所得の区分に関係なく月500円が上限でした。

医療費が心配だったのは最初だけで、それ以降は医療費のことで悩んだことはありません。私たちは特別児童扶養手当と障害児福祉手当も受けていて、手当の額は医療費の負担を大きく上回っています。

家で過ごすさくらの様子

管理票で見た本来の医療費

毎月、月の初めに通院先の病院を受診し、窓口で500円を支払います。さくらの場合は、この500円でその月の自己負担上限額に達します。

その後、訪問看護を利用したときは、管理票に医療費の金額が記入されますが、すでに上限に達しているため、自己負担額は0円です。

初めて管理票に並んだ医療費を見たときは、「本来ならこんなにかかっているのか」と驚きました。

病院と訪問看護の医療費を合わせると月収を超えるほどで、制度がなければ、とても払い続けられない金額です。

更新は1月中に済ませている

更新の案内は、毎年12月頃に届きます。私たちは1月の定期通院のときに主治医へ医療意見書をお願いして、1月中に申請するようにしています。

早めに動くのは、新しい受給者証が有効期間の切り替えに間に合わないと、その間の病院の支払いに小慢が使えず、子ども医療証での支払いになるからです。あとから払い戻しを請求することもできますが、金額のわりに手間がかかります。

更新の案内が届いたら、早めに主治医へ相談しておくと安心です。

まとめ

小慢の医療費助成には、世帯の所得やお子さんの状態に応じた月の上限額があります。入院や通院が続いても、支払いは上限額までなので、医療費を必要以上に怖がらなくて大丈夫です。

上限額の区分は小児慢性特定疾病情報センターの公式ページや申請先の窓口で、子ども医療証の内容はお住まいの自治体の窓口で確認してみてください。病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)に聞くと、申請の手順も教えてもらえます。

私たちも最初は不安でいっぱいでしたが、今は医療費を気にせず、さくらとの毎日に向き合えています。この記事が、診断を受けたばかりのご家族のお役に立てれば幸いです。

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